ゴーギャンは楽園を求め、タヒチに2度も滞在している。
タヒチの野性的で手つかずの自然や、文明に毒されていない人間性に魅了され
タヒチアンの娘を題材に独創的な名作を次々と生み出していった。
まるで西洋文化から逃避するかのように
隔絶した世界で、画家としての感性を高めていったのである。
1897年に描いたゴーギャン最後の大作『我々はどこから来たのか、
我々は何者か、我々はどこへ行くのか』(ボストン美術館蔵)は、
ゴーギャンの精神世界をもっとも描き出している集大成的な傑作と言われ
自信が抱いていた人生観や死生観、独自の世界観などを表している。